再開発計画があり、それを見越した物件テナント選び
広島城東の外濠の長さが、約8丁であったことに由来し地名が付いた「八丁堀エリア」。相生通りと中央通りが交差する「八丁堀交差点」の北西部に位置しています。
路面電車の広島電鉄の本線が走り、周辺には広島三越のほか、広島県初の百貨店として創業した歴史あるデパート「福屋八丁堀本店」や天満屋八丁堀店の跡に残ったビルには、ヤマダ電機やユニクロなどのテナントが入居しており、百貨店や多彩なテナントが軒を連ねております。八丁堀交差点から南方向に伸びる中央通りには、広島パルコなどのファッションビルが並ぶ商店街が形成され、幅広い年齢層で賑わいを見せています。八丁堀から原爆ドーム方面へつながる紙屋町エリアまでの一帯が、観光やショッピング、グルメが一同に楽しめる広島市の賑わいを感じられる便利なエリアです。 また、街の中心は川に挟まれたいわゆるデルタ状の三角州で、リバーサイドの自然が身近にあるのも特徴です。
広島市の交通網を多く郊外と結んでいるので、地元企業の本社や、全国的な企業の支社や支店を立地している八丁堀エリア。オフィスビルやテナントなどの商業ビルが多くありますが、分譲マンションや賃貸マンション・アパート、戸建て住宅なども多くあります。
2004年に完成したタワーマンション「アーバンビューグランドタワー」は、地上166.6m、43階建という、完成当時広島県で一番高いビルとして、新築時には、広島の富裕層による高層階の争奪戦が起こったほど話題になりました。「都心に立地し、夜景を楽しむことができる」、「ラグジュアリーな施設」という、広島で「タワーマンションらしさ」を備えた初めてのマンションだと言われておりました。2016年に広島駅前の「シティタワー広島」と「グランクロスタワー広島」に抜かされるまで、12年間1位の座を守り続けた超高層マンションです。
タワーマンションのほかにも、ラグジュアリーな単身向けマンション、ビジネスホテルなどが盛んに建設されています。広島観光の宿泊地として、大人の方でちょっと贅沢して泊まってみたいなと思えるハイクラスなホテルから格安なホテルまで多くのホテルがこの八丁堀の地に誕生しました。
また、都心に位置しながら、近隣には歴史ある庭園の「縮景園(しゅっけいえん)」や広島城など、緑の多い地域でもあります。
八丁堀エリア東南に位置するのが、広島の夜を代表する中四国地方最大の繁華街と言われる「流川」。居酒屋や飲食店、バー、クラブといった広島市内の遊興施設などが建ち並んでおり、広島の人口比での飲み屋の軒数が日本一とも言われています。流川エリアは、安全で誰もが安心して楽しむことができる健全で魅力的なまちにすることを目指しているため、街中に多くの防犯カメラが設置されており、深夜でも女性が歩き回っているような安全な街であると言われております。 また、初夏のとうかさん、初冬のえべっさんなど、広島を代表する祭りの舞台でもあります。紙屋町からも徒歩圏内ですので、広島の夜を味わいたいなら「流川」に繰り出してみようと思う方が多いのではないでしょうか。
しかし、八丁堀地区は、紙屋町と同様、中国地方を代表するビジネスの中心地でしたが、近年、JR広島駅に比べて再開発が進んでおりません。ですが、最近になって新しい再開発計画が発表されました。 計画によると、2028年度にオフィスやテナント、住宅が入る高層ビルを新たに3棟完成させる見込みで、広島市中心部のさらなる活性化につなげるようです。3棟のうち1棟目は、16階建てはエリア北側に建設し、中高層部分は教育機関や施設とオフィス、低層はコンビニやドラッグストアなどのテナントを入居すると想定しています。対象エリア内にある広島YMCAは、このビルで事業を継続すると見込んでおります。道路を挟んだ南側の区画には、残り2棟を建て、1棟は、28階建ては200~250戸のマンションや地域貢献施設とし、もう1棟は、15階建てにはオフィスと商業施設が入居できます。ビルの間に、市が管理する現在の京口門公園を移して、新たな憩いの場として生まれ変わるようです。完成すれば、まさに広島・商業の中心となる「THE都心エリア」となります。
これまで広島の大規模再開発プロジェクトの中軸は、これらの都心部から少し離れたJR広島駅周辺に集中してきました。今でも駅周辺ではJR駅ビルやJPのオフィスと商業から成る複合ビルの建設が進んでおりますが、ここにきて既存都心部での巻き返しが顕著になり始めました。
中枢ブロック都市の中では札幌、福岡、仙台に遅れを取ってきた広島ですが、ここに来て、再開発に猛チャージを掛けています。周囲の開発と連携した時代にふさわしい施設で、回遊性を生み、周辺地区と紙屋町・八丁堀地区を東西の核とした「楕円形の都心づくり」で、今後も、都市機能が集積され、活力やにぎわいを生み出す役割を持つエリアと位置付けられるでしょう。